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商標の区分(ニース分類45類)の選び方 — 仕組み・よくある間違い・類似群コード

公開: 2026年6月11日 / 商標まる編集部(株式会社イネブラ)

商標出願で最初につまずくのが「区分」です。商標権は「マーク × 指定商品・指定役務」のセットで成立し、その商品・役務は決められた区分に従って指定しなければなりません(商標法6条2項「前項の指定は、政令で定める商品及び役務の区分に従つてしなければならない」)。本記事では、区分の仕組み、選び方でよくある間違い、そして審査で実際に使われる「類似群コード」の概念を解説します。

目次
  1. 区分とは — ニース国際分類45類の仕組み
  2. 区分の数と費用の関係
  3. よくある間違い5つ
  4. 「類似群コード」 — 区分より大事な概念
  5. 実際の選び方の手順

1. 区分とは — ニース国際分類45類の仕組み

商品・サービスの区分は、ニース協定に基づく国際分類(ニース分類)をもとに政令で定められており、全部で45の区分があります。

第1類〜第34類商品の区分(例: 第25類=被服・履物、第30類=菓子・パン・コーヒーなどの加工食品 等)
第35類〜第45類役務(サービス)の区分(例: 第35類=広告・小売等役務、第43類=飲食物の提供・宿泊施設の提供 等)

重要なのは、区分そのものは「権利範囲」ではなく分類・料金計算のための整理棚だという点です。権利の範囲を決めるのは、区分の中に書く「指定商品・指定役務」の記載です。

2. 区分の数と費用の関係

特許庁に支払う印紙代は区分数に比例して増えます(出願料: 3,400円+区分数×8,600円、設定登録料: 区分数×32,900円。出典は記事末尾の特許庁料金一覧)。1区分増やすごとに、出願時に8,600円、登録時に32,900円(10年一括の場合)が追加になります。費用の全体像と出願手順は「商標登録を自分でやる手順」を参照してください。

3. よくある間違い5つ

間違い①: 「カフェの店名だから、コーヒー(第30類)だけ」

カフェの本業は「飲食物の提供」というサービスで、これは第43類です。店で焙煎豆やグッズも販売するなら、商品の区分(第30類のコーヒー、第21類の食器など)も検討対象になります。「自分の売り物は商品なのか、サービスなのか」を最初に切り分けるのがコツです。

間違い②: 「物を売るから、小売の第35類だけでよい」

第35類の小売等役務は「小売・卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」というサービスです。自社ブランドの商品そのもの(例: 自社ブランドのTシャツ=第25類)を守りたい場合は、商品の区分での出願を検討する必要があります。逆もまた然りで、セレクトショップ運営なら第35類が中心になります。

間違い③: 「不安だから、とりあえず区分を広く取る」

区分を増やすほど印紙代が増えるうえ、登録後に継続して3年以上使っていない指定商品・指定役務は、誰でも取消しの審判を請求できます(商標法50条1項・不使用取消審判)。「実際に使う予定があるもの+近い将来の事業計画」の範囲で選ぶのが基本的な考え方です。

間違い④: 「区分が同じだから類似、区分が違うから安心」

区分は分類のための棚であって、商品・役務が類似するかどうかの基準ではありません。同じ区分でも非類似の商品はありますし、区分が違っても類似と扱われる商品・役務があります。これを判定するために使われるのが、次に説明する「類似群コード」です。

間違い⑤: 指定商品を自己流の言葉で書く

指定商品・指定役務の記載には審査実務上の決まった表現があり、自己流の記載は補正指令や拒絶理由の原因になります。特許庁の「類似商品・役務審査基準」や、J-PlatPatの商品・役務名検索で採択例を確認しながら書くのが安全です。

4. 「類似群コード」 — 区分より大事な概念

類似群コードとは、互いに類似すると推定される商品・役務のグループごとに特許庁が付与しているコードです(「類似商品・役務審査基準」に収載)。審査では、先行商標との衝突(商標法4条1項11号)を判断する際に、区分ではなくこの類似群コードが共通するかどうかが重要な手がかりになります。

5. 実際の選び方の手順

  1. 売り物を書き出す — いま売っている商品・サービスと、1〜2年内に始める予定のものを列挙する
  2. 商品かサービスかを切り分ける — 商品なら第1〜34類、サービスなら第35〜45類から探す
  3. 採択例のある表現で指定商品・指定役務を書く — 特許庁の審査基準・J-PlatPatの商品・役務名検索を参照
  4. 類似群コードで先行商標を調べる — 同じコードを持つ先行登録と名前が衝突しないか確認
  5. 費用と相談して区分数を確定する — 使う予定のない区分は不使用取消リスクと費用増になるだけなので外す

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出典・一次情報

本記事の料金・条文は、以下の一次情報に基づいています(最終確認: 2026年6月11日)。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供であり法的助言ではありません。個別の判断は弁理士にご相談ください。記事中の区分・商品の例示は一般的な説明のための例であり、お客様の事業に当てはまることを保証するものではありません。制度・運用は改正されることがあります。